T

側弯患者なう&わず

こんにちはー

はじめに

24歳の大学生 女性です。筋原性側彎症と呼ばれる脊髄空洞症による側彎症を患っており、2018.7.30に手術をしました。手術時のカーブは下78度,上60度のWカーブです。

では病気の経歴をざっと

2歳位から背骨が曲がっていたらしく、医師の勧めでクラシックバレエを始め、中学生まで続けていました。その後も背骨は少し曲がっていたのは自覚していましたが母親は気にならないくらいになったので病院に通うことはありませんでした。自分もまあ生活に支障もないしいっかと思ってましたからね。まさか病気だったなんてね…笑 

 

小学5年でモアレ検査は案の定ひっかかり、地元の病院に通院するようになりました。そこが今どきレントゲン写真がデジタル化してないような少し古い病院でした笑 そこではMRI検査などはしなかったためなのか、医師が専門医じゃなかったせいなのかはわかりませんが特発性側弯症と診断されます。初めてかかった時の角度は25度と18度でした。そこでの先生はいつも「生活はなんでも自由で!」「経過見ることが大切だから~」と緩い感じ。それが母親の不安を駆り立てるのか通院時は母はいつも号泣でしたね。困りました。そして、中学2年生の4月から12月の4か月も経たないうちに30度→37度 34度→45度 と大幅に進行し、装具治療が必要になりました。それまではせいぜい5度悪くなるかならないか、また、10度変化したときも初期だったのと片方だけでしたのでどちらもだいぶ悪くなるの初めてでしたので驚きました。本当に自覚症状がないから怖いですね。丁度成長期で、身長が結構伸びたんですよね。曲がってなかったらもっと伸びてたはず。後から分かりましたが、急速に進行するのも筋原性側彎症の特徴のひとつだそうです。そこから保険を適用して3万円で装具をつくり、1年ほど毎日目標23時間でつけました。体育の前には保健室のベッドのあるカーテンの中で取り外して預かってもらい、終わったらつけに行きました。友達と遊びに行くときや修学旅行は外しっぱなしにしちゃっていたかなー。あんまりストレスを感じにくい自分でもやっぱりつけるのは動きにくいし暑いしで嫌でした。中学校は夏は体操服で過ごすので白の体操服だと装具が透けるんですよね。クラスメイトにも怪奇な目で見られないこともなかったです。そういうことから側彎症による心の問題が始まるんですよね。でもできるだけつけなければいけないのは事実なのでできるだけ頑張りました。装具治療はこれ以上曲がらないようにするためのものなので、曲がったものは戻らないという事実は辛かったです。笑 そんなこんなで頑張ったためなのか、悪くなってはいませんでした。しかし、その後角度に大きな変化がなかったため、今まで3か月定期健診でしたのを一年にあけたら、悪い方のカーブが44度から53度に進行しており、手術を進められるようになりました。手いつでもいいよみたいな。軽いわ。

この経過観察で大切なポイントは自分的には3つです。

  • 角度で一喜一憂しない!

3か月置きの定期健診で、たまに角度がよくなることがあります。そのとき、やったー!このままよくなるかも!病院行かなくていいかな!なんて思うのはゼッタイに間違っています。それは、これから進行しない保証ではありませんし、ましてよくなることはまずありません。レントゲンの撮り方や先生の角度の取り方の誤差です。みなさんご存じだとは思いますが側彎症は手術以外で治すことはできませんよね。ピラティスやカイロプラティックなどの広告もありますが行くなら病院に通いながらにした方がいいと思います。側彎症は病気です。

 

  • 自覚症状が無い分、家族に背中を注意してみてもらう

自分がそうだったように、たった4か月経たないうちに角度が大幅に悪くなることもあります。お子さんの立っている姿勢や座ってテレビを見ている姿勢をふいにみて、あれ、この子こんなに背中の片方がぼこっとでてたっけ?や、最近肩の高さが目立つようになった気がするわ。など、「なんとなく」を見逃さないようにしたらいいのではないかと思います。予約が入ってなくても状況を話せば診てもらえると思います。

 

これは私の反省からなのですが、自分の側彎症の種類は特発性であっているのか?装具治療を始めなくていいのかなど、もっと色々な医師の意見を聞いておいたら、適切な治療ができたのではないか、手術しなくてよかったのではないかと思います。これから治療をしていく方にはぜひ、一人の病院や先生に任せきりにするのではなく複数の意見を入手していただきたいと思います。また、そうすることで客観的に病気に向き合えたり、不安が軽減したりするかもしれません。この時期は経過観察がメインです。一見何もできないと思うかもしれませんが、この時期から積極的に病気について積極的に調べ、治療に参加することでその後の道が変わる可能性があります。側彎症が発覚してからのこの時期を大切にしてください。

 

本格的に手術が必要になった高3の春休みくらいから母の勧めにより、地元の病院ではなく、2時間くらいで行ける東京の某有名大学病院に通い始め、専門医に診てもらえるようになりました。そこで驚いたのはまず側弯外来という特設ブースがあること!そして同じ病を抱える患者さんがたくさん来ていること!地元の病院はおじいさんおばあさんだらけで側弯らしき人には一人も会った事がありませんでしたからもうそのときは嬉しすぎました。自分はひとりじゃないんだと思えるだけで私はとても勇気が出ましたね。そこの病院は大きかったのでいろいろな病気の患者さんと出会えました。社会にいると、この世界には健常者しかいなくて、自分がおかしいように錯覚してしまうけれど、もしかしたら健常者になろうと必死に努力している病気の方もいるかもしれないし、見て見ぬふりをしているだけなのではないかと思いました。気づかないということは、そのような方々にやさしくできないということです。私はこれから社会で生きる中でこのような方々がいることを決して忘れず、共に生きていこうと思いました。話がそれましたがそこでのちに執刀医となってくださる先生に、「これは手術だ」と言われました。ちなみに角度は50度と67度になっていました。先生には受験が終わってからでいいからということでしたので大学受験をしました。

 

話は前後しますが、私が側彎症を身体で気になり始めたのはたぶん高校生になってからでした。高校受験で太ってしまったので背骨のねじれによって生じる背筋が片方だけ飛び出て見えるのが目立つようになり、さらに太って見えました。制服のスカートの裾が明らかに違ってしまうことも嫌で、頑張ってそろえていました。側弯患者にはあるあるなんじゃないんでしょうか。あとはやっぱり痛みでしょうか。長時間立っているとぼこっと出ている側の背中が痛くなるので動いてしまいました。あと座っているときも同じでした。そこでおススメなのが、腰の高さをそろえるために、立っているときに上がってしまっている方の腰の下にクッションなどの敷物をしてそろえる方法です。私はこれだけで結構楽になりました。そして足の長さが5センチほど違ったので歩き方がおかしかったです。(走り方は言うまでもない)あと高校の時は弓道部に所属していたので長時間引けなかったり、骨が違うので肩甲骨の使い方などみんなと同じようにできなかったりしたので結構悩みました。でも自分らしく努力したのでそれなりにですが活躍しました。地区大会ですが優勝もしたし、2年の時から総体に出させてもらったりもしました。側彎症が自分に与えた影響は大きかったと思います。

 

 

 

手術後ってどんな感じなの?

▼療養期間

3ヶ月の療養が必要でした。大学は一時休学しました。療養期間中は本当に何もしませんでした。

▼現れた症状

➀痛み

2か月くらいは何するにも痛かったので,ずっと横になって動画を観ていました。今思うとこのころに何もしなかったのがよかったのではないかと思っています

②皮膚の感覚の鈍麻

右肩からみぞおちにかけて右半身の皮膚の神経が少し鈍くなってしてしまい,触っても感覚がない感じがしました。でも,これは時間をかけて徐々に徐々に良くなりました。4年たった今はほとんどありません。やっぱり少し不安になりましたがこれはうまく付き合っていくしかないですね

▼結局のところ,どれくらい背骨は動かせるの?

できること:4年後→みぞおちをみること,背骨をねじって後ろを振り返る,後屈

これは徐々にできるようになったことで,術後3か月は前屈・後屈・ねじりはほぼできなかったため,手術をしたことを本当に後悔しました。

できないこと:背骨を一個一個曲げること,背骨をカーブさせること,身体を90℃左右に曲げること

▼すぐ姿勢は真っ直ぐになった?

手術をしたのに,姿勢は以前のままでした。

鏡の前で立ってみると今までと同じように右肩が下がり腰骨の高さが違う、手術前の歪んだ姿勢でした。手術なんて無駄だったんだ…と思ってしまいました。しかし,それも当たり前で,姿勢というのは骨格だけでなく、姿勢を認識することで初めて成立するものですので,20年間の時を経て培われた認識がそのままなら,姿勢自体も変わらないのです。

結局、「正しい姿勢」を手に入れるには「認識の差異」を見つけ、受け入れ、地道に直していくしかなかったのです。

その例として,私は右足の重心が、小指側に偏っていました。そこで,この右足の重心を母指球側にすれば、自然と右腰が上がり、後ろに逃げなくて済むということがわかりました。

このように,「自分の姿勢は自分で作る」という感覚が必要なのだと思います。先生のおかげで真っ直ぐな背骨も手に入れた後は,次は患者である我々が,その背骨を使って,今までの姿勢の認識から新しい「正しい姿勢」への認識をアップデートする必要があるのです。

しかし,この「認識を変える作業」は本当に難しいです。ですので,ご家族の私的や協力など「外部の刺激」が必要だと思います。具体的には,前後左右から写真を撮り,認識と外見の差異を探すこと,歩き方の動画を取ることなどです。そして,そこで身につけた正しい認識を毎日「意識」していけたら,よりよいのではないかと思います。

 

側彎症を抱える患者さん、ご家族の方へ

少しでも力になりたいなと思い、書かせていただきました。情報がありそうで無いこの界隈。個人差が大きすぎるこの界隈。一人の側彎症の手術を終えた人間の、ある一意見だと思ってくれたらなと思います。

今は手術後4年。痛みもなく手術したことを忘れるくらい元気です。